PET検査とは

PET検査の仕組み

PETは、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(陽電子放出断層撮影)の略で、1回の健診で全身のがんを発見できる最先端の医療機器です。

早期発見のため、特殊な検査薬で「がん細胞に目印をつける」というのがPET検査の特徴になります。 

がん細胞が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖をエネルギー源として取り込むという性質を利用し、ブドウ糖に似た極微量の放射線を出す薬「FDG」を体内に注射し、しばらくしてから全身をPETで撮影します。するとFDGが多く集まるところがわかり、がんを発見する手がかりとなります。 

PET検査の原理

PET検査では「がん細胞は正常の細胞に比べて多くのブドウ糖を取り込む」という性質を利用して、ブドウ糖にフッ素-18[18F] というごく微量の放射線放出物質(放射性同位元素)をくっつけた薬剤(以下、FDG) を体内に注射します。
すると、がん細胞は正常な細胞より多くのFDG を取り込みます。そこから放出される微量の放射線をPETカメラでとらえて、がん細胞の位置や大きさや進行の度合いを調べます。

取り込むブドウ糖の差

 PET検査のメリット・デメリット 

メリット

  1. がんの早期発見ができます
    がんは、細胞レベルで発生したがん細胞が1cm程度の大きさに成長するまでは10年から20年かかると言われていますが、ある程度の大きさになると急速に成長します。PET検査では数センチ程度のがんを発見することができます
  2. 一度で全身をチェックできます
    一度で全身を検査できます。(検査受付から検査終了まで約3時間)
    また、全身検査ですから、転移状況や進行の程度も判断できます。
  3. 認知症の早期発見にも役立ちます
    認知症の早期発見にもPETが有用であることがわかっています。
  4. 苦痛がほとんどありません
    検査着のまま撮影いたします。薬を注射して、検査台に横になって頂き撮影いたしますので、苦痛がほとんどありません。

デメリット

  1. 診断が難しいがんがあります 
    FDGは尿として排出されるため、これと重複する部位のがんや細胞成分の少ないがんなどは診断が難しくなります。そのため、内視鏡検査や超音波検査を組み合わせて総合的な診断を行うことで正確な検診へとつなげています。 

発見しにくいがん
膀脱・尿管の癌、腎臓癌、肝細胞癌、胃癌、前立腺癌、(すべての臓器の)微小ながんなど

PET/CT検査について 

当センターでは、CT検査を併せた「PET/CT検査」をお受けいただけます。
PET/CT装置では、PET検査とCT検査が同一のベッド上で行われます。PET検査によって異常な部分が見つかった場合に、CT画像でその位置を正確に知ることができるのが最大の利点です。

当院に導入している最新鋭のPET/CT装置は、これまで抽出できなかった腫瘍も見つけることができ、またCTによる被ばくも従来比半分に抑えることが可能になりました。

PET検査

PET は組織やがんの活動状態(良性か悪性か、再発かどうか)などの情報を得るのに適しています。

PET画像
CT検査

CT は組織やがんの細かな形態(がんの形や大きさ、どの臓器のどの部分に存在するかなど)の情報を得るのに適しています。

CT画像

PET/CT検査

PET/CT装置とは、PETとCTが一体型となった装置で、一度の撮影で全身のPET画像とCT画像を得ることができます。PETだけの画像に比べ、病変の位置とその範囲がより正確に判別できます。また、CT画像の異常部位についての質的評価ができ、診断能が向上します。

PET/CT装置
PET/CT画像

検査写真例

PET/CT検査項目

腫瘍マーカー:CEA・AFP・CA19-9・PSA(男性)・CA125(女性)